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クビアカツヤカミキリ防除対策

■クビアカツヤカミキリとは

 外来種クビアカツヤカミキリ成虫の体長は約3cmで、体は光沢のある黒色で胸部が赤く、幼虫がサクラやウメ等バラ科の生木に食入・加害することで樹木を衰弱させます。

 6月中旬~8月上旬頃に成虫となって樹木の外に出ますが、クビアカツヤカミキリの場合は同じカミキリムシ、近い種類と比べても異常に持っている卵の数が多い。カミキリムシは普通100くらいだが、300~1000というすごい数。繁殖力が強く、被害の拡散が懸念されます。

 平成24年クビアカツヤカミキリが愛知県西部のサクラなどで、国内で初めて報告されて以来、埼玉県草加市、群馬県、栃木県などの関東地区や大阪府でも見つかり、徳島県ではモモなどの果樹園の多くで発生するなど被害は全国に広がりつつあります。

 サクラは日本人にとって特別な樹木であり、サクラが危ない、春の風物詩であるお花見ができなくなるのではとマスコミをにぎわせるまでに関心が高まってきています。

■クビアカツヤカミキリ防除対策指針 

 

 NPO法人樹木研究会こうべ」は2017年からクビアカツヤカミキリの被害調査や防除対策に取り組んできました。
 そして、入手した情報や経験で培った知識、そして各々の樹木医が持つ知見を集結して、社会に対して発信することを目的とした効率・効
果的な防除対策について取りまとめた「指針」を作成しました。

 指針の特徴は、集めた多くの防除方法の中から優先度の高い防除方法を選別している点です。「防除対策」では環境省が作成した「防除における優先度の基本的な考え方」を基に、費用対効果を考慮しながら、「状況把握」で得た様々な「防除手法」を分析し、優先度の高い「防除手法」についての改善策を提案しています。
 一番有効な手法は「早期発見早期防除」です。被害が確認されていない兵庫県の市でも「クビアカツヤカミキリの生育確認調査」を行うことで、負担の少ない状況下での防除を行うことの有効性を伝えています。
 また「捕殺」「幹への薬剤散布」「伐倒駆除」「啓発活動」を優先度の高い防除として取り上げています。

環境省:外来種への防除における優先度の基本的な考え方

発活動


 クビアカツヤカミキリ防除の効果的・効率的な手法である啓発活動については、一般の方へのガイドを行う際、必ずと言っていいくらいクビアカツヤカミキリを紹介しています。

 クビアカツヤカミキリの話をする際、以下の点を含めて説明しています。
 

①被害がどんどん広がっており、日本の桜が危機的な状況にあること。
②今被害を抑えることができれば、毎年桜の花を観賞できること
➂周りの環境に影響が出ないよう桜に薬剤を散布したり、幼虫が桜の中にたくさん入って伐採する等の効果的な防除に対して理解を得ること

クビアカツヤカミキリに関する情報を広く社会に発信することで、市民に「防除」に対する理解と行動を伝えます。

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